カブドットコム証券がauカブコム証券となり、手数料、貸株料率に変更がありました。
それに続くようにSBI証券も手数料の見直しが行われました。
手数料はクロス取引において、主な原価となる部分なので、こちらを最小に抑えることが利益最大化の重要なポイントになります。
auカブコム証券
変更点
auカブコム証券の手数料体系は、2019年12月16日約定分から主に以下3点の変更があります。
(クロス取引に関係しそうな分のみ)
- 信用取引手数料の撤廃
- 品受・品渡の事務手続料の新設
- 貸株料の引き上げ
信用手数料の撤廃と聞いた時、これからはauカブコムの時代がくるのか!と思うくらい衝撃が走りました。
でもこれにはからくりがあって、今まで手数料がかからなかった品受・品渡に以下の手数料がかかるようになります。

ぱっと見た感じ、従来の信用手数料と同じような水準ですね。
①と②はいってこいのようにみえますが、③は完全にネガティブな改定内容であり、
一般信用長期の貸株料が1.5%から2.25%に上がってしまいました。
今後の使い方
貸株料の引き上げについては、どうしようもないため受け入れるしかありません。
しかし①と②の改訂については、ちょっとやり方を変えるだけで、大丈夫です。
<従来の使い方>
・カブコムの信用長期で売りの在庫を確保(手数料あり)
・楽天の1日信用からの現引で現物を確保
・楽天からカブコムに現物を移管し、権利落ち日に品渡
今までは、楽天で現物を確保してからカブコムに移管して、カブコムで品渡する必要がありました。こうすることで、かかる手数料は信用売り分だけになっていました。
しかし、今回の改訂で品渡に手数料がかかることになったため、わざわざ移管しなくてもいいかなとも思い、今後はこのような運用にしようと思います!
<今後の使い方>
・カブコムの信用長期で売りの在庫を確保
・楽天の1日信用からの現引きで現物を確保
・権利落ち日にカブコムの売りを返済
・権利落ち日に楽天の現物を売却(手数料あり)
このやり方にはメリットとデメリット両方あります。
メリットとしては、移管する手間が省けます。
移管しなければいけないから、いつまでに移管の手続をして、、、
とか考える必要があって地味に面倒くさかった手続をしなくてよくなります。
そして、移管の期限がなくなったことで、在庫があるものに関しては権利付最終日ギリギリまで保有しなくてよくなります。これにより、貸株料を抑えることが出来るかもしれません。
一方で、この手法には致命的なデメリットがあります。
それは、同じ証券会社で売り買いしていれば自動的に損益通算してもらえますが、別の証券会社でやってしまうと、確定申告をしなければならなくなることです。
<今後の使い方>
・カブコムの信用長期で売りの在庫を確保
・楽天の1日信用からの現引きで現物を確保
・楽天からカブコムに現物を移管し、権利落ち日に品渡(手数料あり)
SBI証券
変更点
SBI証券は2019年12月23日からアクティブプランの手数料無料化範囲が拡大されました。
アクティブプランとは、約定回数に関係なく、1日の約定代金に応じて手数料が決まる定額プランです。
今までの無料範囲は10万円まででしたが、今回の改訂で無料の範囲が50万円まで拡大されました!
しかも、現物と信用は別の単位で計算されるので、現物で50万円、信用で50万円までは手数料無料で使えるということになります。
今後の使い方
今まで、SBI証券は他でとれなかったものの在庫があった場合の最終手段としてしか利用していませんでした。
SBI証券は楽天証券(短期)と貸株料率は3.9%と同じですが、楽天の1日信用のような魅力がありません。そして、楽天証券のような信用(無期限)もぱっとしません。
でも、今回の改訂でクロス取引の戦力になれそうです!
<今後の使い方>
・利用するのは50万円未満の銘柄のみ
・SBI証券で現物を買い
・SBI証券で信用売り
・権利落ち日に現渡し
これで売買に関する手数料は一切かからず、貸株料のみです!
何が違うかというと、楽天証券は1日の取引金額合計(現物・信用の合計)が50万までは手数料が無料になります。
一方、SBI証券のアクティブプランの場合は、現物、信用(一般)、信用(制度)の約定代金をそれぞれ別口として計算されるのです。
そのため、SBI証券では現物50万円、信用(一般)50万円まで手数料が無料になるということです。
楽天証券は現物と信用合計で50万円のため、SBI証券では2倍の取引が可能ということになります。
楽天証券のいちにち定額コース、SBI証券のアクティブプランいずれも規定の50万円を超えると、通常コースより手数料が高くつくので注意が必要です。
ちなみにコースの変更は1日ごとに変更可能です。(締め切り等は各証券会社でご確認ください)
ちゃんと管理出来る方であれば、日ごとに使いわけてもいいかかもしれません! 私は面倒なので無理です。。。
まとめ
証券会社の手数料引き下げ合戦が加熱していることは、利用者として嬉しいですね!
でもちょこちょこ改訂はアップデートするのが大変なので、一気にガツンとお願いしたいです。
ご紹介した方法はあくまで一例になりますので、ご自身のスタイルにあった手法を見つけていただければと思います。